様々なメリットのある長期優良住宅制度 その認定のお手伝いもさせて頂いています。
2009年(平成21年)6月4日に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づく、木造住宅を長期間使用することで住宅の解体などによる廃棄物を抑制し、環境への負荷を軽減し建替えに係る費用の削減によって住宅に対する負担を減らすことを目的とした政策・制度です。
具体的には・・・
・消費者の住宅取得のための負担軽減。
・環境への負荷軽減。
・中古住宅市場の活性化による住宅取得の選択肢を増やす。
・ストックビジネス(リフォーム・中古住宅売買・点検など)の開発・育成。
・対象は一般木造住宅で軸組工法による住宅です。
こうしたことを目的としています。
また、国土交通省によりその資格認定を受けることで『長期優良住宅』と認められ、税制を始めとする優遇措置などメリットを受けられる住宅となります。
国からの補助金
インスペクション(住宅診断)を実施した上で、性能向上を図るリフォームや三世代同居等の複数世帯の同居への対応に資するリフォーム、また、適切なメンテナンスによる既存住宅ストックの長寿命化する優良な取り組みに対して実施に要する費用の一部を支援する補助制度で、条件を満たしたリフォームに関して、最大300万円を限度(※年度・リフォームの内容により変わります)とした補助金が出ます。 住宅診断について詳しくはこちらのページをご覧ください。
住宅ローン減税(最大控除率1.2%)
平成21年度税制改正で住宅ローン減税が施行されましたが、長期優良住宅であれば最大控除額は600万円にもなります。
住宅ローン減税以外の税制優遇
長期優良住宅認定を受けることで・・・
・登録免許税
・不動産取得税
・固定資産税
・所得税の特別控除(長期優良住宅認定の新築等をした場合の所得税の特別控除)
これらの優遇(控除・軽減)が受けられます。
フラット35 住宅ローンの金利優遇
「フラット35」は、民間金融機関と住宅金融支援機構の提携による、最長35年の長期固定金利住宅ローン制度です。
長期優良住宅認定を受けた場合、この「フラット35」の借入金利に対し優遇を受けられます。
インスペクション(住宅診断)の実施
建物に欠陥・劣化等不具合を調査します。
もちろん、この中には後述する耐震性も含まれます。
耐震性
極稀に発生する大地震に対し、継続して利用するための改修を容易にするため、損傷レベルの軽減を図る。具体的には・・・
・耐震等級2以上
・各階(地階を除く)の安全限界変形の高さに対する割合をそれぞれ1/40以下
・免震建築物
いずれかの要件を満たす必要があります。
省エネルギー性
省エネ法に規定する省エネルギー基準(次世代省エネルギー基準:省エネルギー対策等級4相当)に適合すること。
維持管理の容易性
耐用年数が短い内装及び設備については、維持・管理(清掃・点検・補修・更新)を容易にするために必要な措置を講じる必要がある(維持管理対策等級3相当)。
劣化対策
(これまでの木造家屋の一般的な寿命は30年と言われていましたが)数世代にわたり使用できる構造躯体であること、とされています。
床下空間に330mm以上の有効高さを確保するほか、床・小屋裏の点検口設置、劣化対策等級3相当が条件となります。
住戸面積
75平米以上の規模により良好な居住水準を確保すること。また、最低でも1の階の床面積が40平米以上とする。
居住環境
景観などその地域出の居住環境の維持・向上に寄与・配慮されたものであること。
所管行政庁による審査。行政毎に審査基準が異なります。
保全管理
建築時より定期点検・補修などに関する計画が策定されている事。
※地震や台風といった天災時に臨時点検を行うとされていますが、最低でも10年ごとに点検を実施する事とされています。
住宅履歴情報の整備
長期優良住宅への認定後はその建築(各種図面など)並びに維持保全の状況の記録を作成し、保存しなければならない。 ※電子データでの作成・保管も可。
バリアフリー性
将来的にバリアフリー施工が行えるよう共用廊下などに必要なスペースが確保されている事(戸建住宅へは適用されません)。
可変性
居住者のライフプラン・スタイルの変化に応じ間取りの変更が可能となっている事(戸建住宅へは適用されません)。
工期が長くなる
建てることに時間がかかります。様々な要因により変わってきますが、通常の工事より数週間、場合によっては数か月余計にかかる場合があります。
お役所絡みの事なのでどうしても時間を要する部分が増えるのですが、特に『長期優良住宅』へのノウハウがないと余計にかかることにもなります。
申請費用がかかる
行政毎で多少の差があり、設計事務所・ハウスメーカー・工務店などを通す通さないでも変わってきますが、概ね数万~十数万の費用はかかります。
完工後も費用がかかる
制度の中には『維持保全計画』があり、最低10年ごとの点検が必要になりますので点検費用が発生します。制度を利用していない家屋であれば発生しない費用ですが、大事な住まいですから予防に勝る治療無しと思えば、何れやむを得ない費用なのかもしれません。
建築費用が高くなります
耐震性や断熱性のアップ、点検口の取付など、通常の工事よりもかかる事になりますが、耐震性・断熱性などは多くの場合通常の工事として行われているので、著しく高騰するということはまずないでしょう。